6月例会「八王子車人形」西川古柳座

6月30日(土)、鶴川市民センターホールにて
小学2年生以上の例会「八王子車人形」が行われました。

江戸時代から伝わる車人形。
「ろくろ車」という、前に二個,後ろに一個の車輪がついた箱形の車に腰掛けて、一人の人形遣いが一体の人形を繰る、特殊な一人遣いの人形芝居です。
江戸時代の終わり頃、現在の埼玉県飯能市に生まれた初代西川古柳が考案しました。
それまでにあった江戸系の三人遣いの人形芝居を合理化したものだそうです。

今日は、西川古柳さんの軽妙な語り口による、こうした「車人形」の説明から始まりました。

まず初めは「三人三番叟」。
幕が開くとともに、きらびやかな背景と人形に目を奪われます。
「三番叟」は、人形浄瑠璃のほか、歌舞伎など様々な芸能の幕開けに舞い,舞台の無事を祈る意味合いを持つそうです。

三番叟のあとは、人形遣いのワークショップ。
子ども達が実際に車人形の使い方を教わります。

車人形の特徴のひとつは、人形のかかとについている「かかり」を、遣い手の足の間に挟んで人形の足を動かすこと。
この工夫で、人形の足が直接舞台を”踏む”ことが出来るのです。
地面を”踏む”ことができる人形は、世界でも類を見ない、大変珍しいものだそうです。

「かかり」をはさみながら歩くのは大変です。
さらに「泣く」「笑う」などの表現にも四苦八苦しながらも、とても楽しそうな子ども達でした。

その後、義太夫と三味線の説明の後で「日高川」の一場面も演じてくださり、人形と音楽・語りの絶妙な絡みにより、登場人物の感情が豊かに表現されることがとてもよくわかりました。
まるで人形が生きているようで、皆、息をのんで見入っていました。

後半は、「東海道中膝栗毛」です。
子どもから大人まで楽しめるコミカルなお話で、笑いが絶えませんでした。
浄瑠璃の生演奏と巧みな人形遣いにより、舞台からは胸が高鳴るほどのエネルギーが感じられました。

なんとも贅沢で、美しく、そして楽しい、素敵な時間を過ごすことができました。
西川古柳さんのエネルギッシュで気さくな人柄も魅力的でした。
素晴らしい舞台を作ってくださった皆様、本当にありがとうございました。

終演後、出口であいさつしてくれた弥次さん・喜多さん。子ども達に大人気でした。