韓国民族舞踊をより面白く観るために♪

来月6月14日(日)15:00より、和光大学ポプリホール鶴川にて、韓国民族舞踊の例会があります!町田の劇場では2005年の特別例会以来なのでまさに10年ぶり!!                                      「子どもはちゃんと観られるかな……?」と敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、勿体ない!!高い水準の韓国民族舞踊を日本で観られる滅多にない貴重な機会です。                                              より楽しむための韓国民族舞踊ミニ事前知識をお届けします♪

★韓国舞踊とは

先史時代の宗教儀式から始まりました。部落別に神壇で祭祀を行いながら集団で歌舞を楽しんだものが徐々に形式化されたと考えられています。

★どんな踊りがあるのでしょうか

「鶴の舞」……鶴の優雅なしぐさを表現します。                                                     ・「扇の舞」……色鮮やかな衣装を着て両手に大きな扇を持って踊ります。いくつもの扇を並べて波や花などを表現する華やかで美しい踊りです。                                                        ・「剣の舞」……長い剣を持ち、力強くスピード感のある動きが特徴です。                          「サルプリ舞」……巫女の踊りで厄除けの意味を持ちます。白装束に白い布を持ち、衣装をなびかせながら踊ります。

その他にもたくさんの踊りがあります。

★注目して欲しいところ

例会ではソロの踊りも、群舞も、生の楽器演奏もあります。静と動のあるバラエティに富んだ内容です。                                                                              ・呼吸を感じる                                                                     ・足元(ステップ)に注目してみる                                           ・曲線的な動き                                                                      ・弦楽器の繊細な響き、打楽器のリズム                                                        ・衣装の美しさ

★どんな楽器があるのかな

1.000年以上前から韓国と日本では交流があり、正倉院には韓国の楽器が納められています。

「コムンゴ」……聖なる楽器。6本の弦をスルテ(竹で作られた撥)で弾いて演奏します。                                       ・「カヤグム」……12本の弦を指を使って演奏します。                                         ・「ジャング」……伴奏に使われる打楽器です。

是非とも太古の浪漫に想いを馳せ、韓国舞踊の世界をご堪能いただけたらと思います♪

komungo
コムンゴ
jyangu
ジャング
kayagumu
カヤグム

4月例会(幼~小1):おれはママじゃない!

2015年4月25日(土)、町田市民ホール第4会議室にて、4月幼児例会を行いました。

150425_1401~01
開演前。賑やかです♪

人形劇団プークによる『おれはママじゃない!/プー吉・チビのミニミニ劇場』です。

井上幸子さんをお招きした事前の集いから1ヶ月、楽しみに待っていました!

まずは『プー吉・チビのミニミニ劇場』。全体的にどことなくレトロで、初めて観るのに懐かしい感じがします。

プークのシンボルキャラクター、“プー吉とチビ”が大活躍するオープニング劇と傘踊り、動きがユーモラスで可笑しいショジョ寺のタヌキ囃子、車人形による南京玉すだれ、バラエティー豊かな人形が次から次と登場し、短いながら見応えのある贅沢な作品だなぁと思いました。

特に、車人形による南京玉すだれはおもしろかったですね!片手遣いの人形を逆さまにすると別のキャラクターに早変わりするのですが、4匹のキャラクターを一人で演じ分ける役者さんも見事でした。

次の作品は『おれはママじゃない!』。いったんミニミニ劇場が終わっても幕は下ろさず、そのまま役者さんが前でお話をしながら同時進行で他の役者さんが後ろでセット変えをするので、自然な感じで話の世界に移行できます。

現実には「食う・食われる」の関係の異種が仲良しになるというわりとよくあるパターンの話ですが(スミマセン!)、「ママ ママ」とまとわりつくヒヨコさんとそれをうっとうしがるワニさん、その二人が次第にうちとけていく様子にほのぼのとした愛を感じる素敵な作品でした。

「こんなところでねむっちゃだめだよ。おまえはちいさくてかわいくておいしそうで、つまりあぶないんだよ。おれだってたべちゃいたいくらいだ。」

ワニさんのせりふについ胸がきゅーん(ワニさんの声がまた素敵でしたね~)。

「ママのここ、いいおとがする」って、ワニさんの心音を聴きながらひよこさんが眠りにつくシーンに私も心が穏やかになりました。

客席と舞台の密着した距離感も良く、目の前でその場でしか観られない生の声と演出(改めてほんと贅沢ですネ……)に、心もすっかり魅了されてしまいました。また、どの作品も人形遣いが黒子というより、舞台上でまさに「役者」として人形同様に演じていて、役者さんの個性と人形の役柄のコンビネーションが絶妙でした。img026

ちなみに、「おれはママじゃない!」の原作になった絵本はこちら。パステル調のやわらかな絵が素敵です。ユーモラスで表情豊かなワニさんが魅力的。残念ながら絶版のようです。

小2以上4月例会:ベッカンコおに

2015年4月18日(土)ひなた村カリヨンホールにて、小2以上の4月例会を行いました。    劇団なんじゃもんじゃによる『ベッカンコおに』です。150418_1338~01

なんじゃもんじゃは、西尾瞬三さんと西尾夏子さんのご夫婦2人で1993年に岐阜県福岡町で旗揚げされ、今年で23周年目を迎える劇団。町田とは、2008年1月例会「きずだらけのリンゴ」以来の再会です。

響きのおもしろい「なんじゃもんじゃ」という名前の由来は、地元に自生する樹齢200年近い「ナンジャモンジャの木」のからとのこと(写真に映っているパネルの木)。

ちなみに、ナンジャモンジャとは、見慣れない立派な植物、怪木や珍木に対して地元の人々が付ける愛称で、特定の植物の種名ではありませんが、ヒトツバタゴを指すことが多いようです。毎年5月頃、雪のような白い花を咲かせるそうですよ。

さて、舞台の内容は……

滑稽なベッカンコ顔だからと笑いものにされる心優しい鬼と盲目ゆえに村の子どもたちからいじめられる里の娘ユキ、そしてユキの父親。三者三様の愛の形がいつしか鬼に変わっていく悲劇を描いています。

周りから差別され続けていた孤独な者同士のベッカンコおにとユキ、2人が出会いやがて愛し合います。 しかし娘が鬼にさらわれたとユキを一生懸命探すお父は、ユキの目を治す竜眼草を採ってきたベッカンコおにを敵だと思い、鉄砲で撃ち殺してしまいます。 ラスト、目が見えるようになったユキは、自分の腕の中で息を引き取るベッカンコおにを看取ると、人間への憎しみから、鬼に変身してしまいます。

“鬼って一体どこにいる 人の中に鬼はいる 人も鬼になれる あなたは人か鬼か わたしは人か鬼か 鬼っていったいどこにいる”

誰も悪くないのに……やるせない切ない思いが残る、とても考えさせられる内容でした。

たったふたりで、おにの面とゆきの人形(乙女文楽でしたね)を使い分けながら 、お父、山カカ様、せみ(笑)、コロス(※)etc……何役もやっていて、それでいてせわしなさや違和感を感じさせないのが見事でしたね!狂言を取り入れたようなゆったりした動きや、しの笛の音色、能舞台を思わせるような素朴な舞台空間、現代劇でありながら、日本の伝統芸能の様式美を感じました。子どもは、ユキが恐ろしい鬼の面をつけ白装束で舞うところが怖かったそうです。

※コロス(koros)とは、古代ギリシャ劇に出てくる合唱隊のこと。コロスは、観客の観賞の助けとなるよう、劇の背景を要約したり、主要登場人物が劇中語れなかったこと(たとえば恐怖、秘密とか)を登場人物に代わって代弁したりなど、劇を進行する役割を持ちます。

 

終わった後は、西尾夏子さんが舞台や劇に関する素朴な疑問や質問に ひとつひとつ丁寧に答えてくれました。どのような質問が出たかというと……

質問1:「風鈴はどうやって鳴らしてたのですか?」                                                      質問2:「最後、舞台の背景が赤くなったのはどうしてですか?」                                             質問3:「どうしてゆきは生身の人間でなく人形で演じることにしたのですか?」                               質問4:「人形はどうやって動かしているのですか?」

この答えは……、サークル会で観た方に聞いてみてくださいね(笑)。yukikonkon

 

最後に、舞台でも話がありましたが、原作本の紹介を。さねとうあきら・作 井上洋介・絵(理論社)。2006年に復刻されたようです。

「ベッカンコおに」の他にも「ゆきんこ十二郎」「おにひめさま」の、合わせて3つの物語が収められています。3編とも人間の娘が異界のものと出会う話です。

 

 

 

人形劇団プーク 演出の井上幸子さんを囲んで 

2015年3月24日(火)、ひなた村にて、人形劇団プークの井上幸子さんをお招きして「おれはママじゃない!」事前の集いを行いました。

井上幸子さんはプークに入って41年目、入団当初は役者さんとしてご活躍されていましたが、現在は演出家として、子ども向けの人形劇だけでなく、大人の芝居も手がけておられます。29歳の息子さんがいらっしゃって、子ども劇場の会員でいらしたこともあるそうです。ちなみに、町田子ども劇場の1978年の設立例会がプークの『11ぴきのネコ』でした。近年では2年前の『ねずみくんのチョッキ』が記憶に新しいところです。

事前交流会の内容をかいつまんでご紹介致します150324_1048~01

●プークってどんな劇団?

プークは今年で創立86周年、1929年(昭和4年)に創立されました。東京の旧制開成中学校に通っていた学生の中で美術や人形劇に興味を持った人たちがサークルで始めたものが前身です。ちなみにこの年は世界大恐慌が起きた年で日本の政情も暗く不安定な時代でした。

プークの名前の由来は、エスペラント語の「ラ・プーパ・クルーボ(LA PUPA KLUBO)」からきていて、ラは英語でいう冠詞、プーパは英語のパペット(人形)、クルーボはクラブ、訳すと「人形クラブ」という意味になります。プーパ・クルーボのそれぞれの頭文字を取って「プーク」と呼ばれるようになりました。

プークが劇団名をエスペラント語で付けたことは、「子どもと大人の幸福と世界の平和に貢献できる人形劇を創りたい」というプークの決意表明で、国粋主義や軍国主義の強かった当時の日本社会にあって、非常に勇気のあることでした。戦時中は当時の代表者だった川尻泰司さんが投獄されるなど、長く弾圧を受けます。ようやく再建されたのは戦後1946年です。このプークの歴史は1971年に新宿に建てられたプーク人形劇場の壁面にレリーフとして彫られているそうです。

ちなみに、エスペラント語とはポーランドのユダヤ人家庭に育った眼科医のザメンホフが作ったものです。彼は、戦争を避け平和を長続きさせるためには、多くの人々が国境を越えて話し合い理解し合うことが不可欠であり、そのためには共通する言語が必要だと考えました。そこで、人々の国語を越えた共通のことば「エスペラント」を考案しました。

プークが初めて子ども向けの人形劇を本格的に手がけたのは、1964年(東京オリンピックの年)で、「エルマーの冒険」が最初でした。この作品を1966年に福岡で公演したことが発端となり、そこから全国に子ども劇場運動が広がっていったのです。

●作品の話150324_1108~02

元々プークは大きなホールでやる作品を得意としていましたが「舞台設備のない会場でも可能なもっと小さな作品」をという需要を受け、生まれた最初の作品が「プー吉・チビのミニミニ劇場」だそうです。小ホール小劇場で演じる部門をミニ班と呼びますが、役者3名+照明1名、計4名で全てこなします。3人という少人数では、例えばワニ役、ヒヨコ役で既に2名出ずっぱりな訳で、残りの1名は進行役やその他動物など何役もこなすので技量が問われます。この制限でこそ生まれてきた新しいスタイルを是非観て欲しいとのことでした。

プー吉・チビのミニミニ劇場は、『開幕劇』と、秋田音頭にのせて送る『プー吉・チビの傘踊り』(音楽にすごく子どもが反応するそうです!)と、『ショジョ寺のタヌキ囃子』と、『車人形南京玉すだれ』の4パートに分かれた作品で、15分程度の短い作品です。音楽が中心でほぼせりふが無く動きだけで面白さを伝えます。人形の持ち手をひっくり返すと早変わりするのですが、その動きに是非注目下さいとのこと。150324_1110~02150324_1108~01150324_1110~01150324_1108~02また、車人形といえば八王子車人形がすぐ連想されますが、プークの『車人形南京玉すだれ』は、乙女文楽の系統を組むのだそうです。

乙女文楽とは、車人形と同じく人形浄瑠璃から派生した伝統人形芝居で、「文楽」が男性3人で一体の人形を操るのに対し、「乙女文楽」の遣い手は一体につき女性1人です。そのため、人形の仕組みと操り方にさまざま工夫がなされ、人形と遣い手の動きがより一体化されたリアルな表現が可能となっています。

一人遣いの人形というのは車人形と同一なのですが、操作方法に違いがあるそうで、車人形は、遣い手の腰掛ける木箱の車の仕掛けに特徴がありますが、乙女文楽の特徴は、人形の頭の両鬢と遣い手の頭とを紐で結んで人形を胴金と呼ばれる軸に差し込んで操作するところだそうです。このあたりは話だけでは分かりづらいので舞台でご確認下さい。

おれはママじゃない!は、宮本忠夫さんの絵本が原作で、2002年に生まれた作品です。当時はアフリカで内戦が続いていて「全ての子どもにとって安心して眠れる夜が訪れますように」というメッセージが根底にはあります。登場人物(?)のワニは、「みんなから怖がられている中年男のワニ」なんですが、そのワニにヒヨコがママママと寄っていくユーモラスさと同時に、ヒヨコがワニの胸にほっぺたをつけて心音を聴きながら安心して眠る、その温かな体温が伝わるような作品にしたとのことです。150324_1109~01

●音楽の話

大阪を中心に活躍している「マリオネット」という演奏家が担当しています。ポルトガルギターとマンドリンで編成されていてどこの国の音楽、どの時代の音楽という特徴を感じさせない不思議な世界を創り出しているとのことです。「ひよこの歩いていく足音」、「お日さま、ワニとひよこを暖めてくれる光」をイメージしているそうでそこも注目です。

実際に舞台で用いる人形も触らせて頂いて、その可愛らしさに参加者一同大はしゃぎでした。みんな非常に「目力」が強く、すごーくこっちを見ている……(笑)。プークの人形の顔は表情を豊かにするためにわざとシンメトリーでないように作っているそうです。

作品の話以外にも、NHKの「いないないばあっ!」にご自身が6年間関わっていたことや、戦時中はプークという名前が使えなかったので、「スタジオ・ノーヴァ」という別名でNHKに出ていたことなど興味深いお話も伺いました。現在プークは、劇団部・劇場部・映像部の3つの専門分野に分けられていて、「スタジオ・ノーヴァ」は映像部として、映像関係を全て引き継いでいます(ノーヴァはエスペラント語で“新しい”という意味です)。

また子育てと仕事との両立という話も出て、井上さんはお子さんが6歳の時にレギュラーの役者の代役として九州公演に出た事があったそうです。その間毎日お子さんに向けて葉書を書いていたとのこと、電話ではお互い気持ちが折れてしまうから……という言葉に聞いていた私も胸が熱くなりました。

「人形劇は生まれたての子どもから大人まで楽しむことが出来るけれど、小さな子ほどスッとその世界に入り込める、大人は経験と照らし合わせて観るけれど、子どもは観ること自体が経験となる、観続けることで“いい子”になるかは分からないけれど、“いい大人”にはなれるのではないか」、と言葉をいただき、参加者一同励まされる思いでした。

非常に内容の濃い時間を過ごさせて頂き、当日が益々楽しみです!

 

2月例会:パーカッション&マリンバ コンサート

 

パーカッション1
上演前の様子。楽器がいっぱい!

2015年2月21日(土)、和光大学ポプリホール鶴川にて、町田子ども劇場2月例会が行われました。

開演前から舞台の上に所狭しと楽器が並び、ステージへの期待が高まります。

今大人気のカホンを始め、ジャンベやフレームドラムなど、解説を交えながら大久保さんに演奏して頂き、子ども達も始めからステージに入り込み、リズムを取りながら食い入るように見つめていました。

大久保さんのおしゃべりもまたおもしろくて、子ども達もすっかり乗り乗りで掛け合いも絶妙でした。(「知ってる~」合戦は爆笑でしたね)。これ楽器!?というような普通のフライパンですら大久保さんにかかると見事なパーカッションになってしまうことにもびっくり。

あらゆるものを楽器に変えてしまう!大久保さんでしたが、特に印象に残ったのは「おりん」です。おりんは、もともと仏具の「鈴(りん)」のことで、ステージで用いたおりんは一つずつ音階を調整して楽器にしています。一音ならすと、その余韻が4分間(!)残るそうです。響きのあるとっても素敵な音でした。

また、中川さんの演奏するマリンバの音色の美しさ、演奏する姿に魅せられました!

現在のマリンバの形が出来上がったのは1900年頃と実は楽器としての歴史は浅く、マリンバの曲もまだあまり無いそうで、ご自身でマリンバ用にアレンジ編曲をして演奏されるそうです。聞き慣れた曲も全く印象が変わり見事でした。中川さんが初めてマリンバに触れたのは小学校4年生だったそうですよ。

実は、あのお二人ご夫婦なんです。確かに息のぴったり合った演奏でしたが、対照的な見た目といい、意外ですよね~(失礼!笑)。でも改めて、ステージ上でのやりとりを思い返してみると納得!という方もいらっしゃるのでは!?

【当日のプログラムはこちら】                                                  1.パーカッション・ソロ                                                                     2.フィドル・ファドル /ルロイ・アンダーソン作曲                                                                                                             3.フレームドラム系ソロ                                                                   4.タンブラン・パラフレーズ /安倍圭子作曲                                                   5.Srpska Igra /ネボイシャ・ジブコビッチ作曲                                                                     6.カホン ソロ                                                                      7.エリーゼ~エリーゼのためにより~ ベートーヴェン作曲/中川佳子編曲                                                                8.おもちゃの兵隊の行進 /レオン・イエッセル作曲/中川佳子編曲                                                               9.山をわたる風の詩/安倍圭子作曲                                                                    10.おりん                                                                           11.童謡メドレー /中川佳子編曲

差し入れのお食事風景♪